立ちどまるから見えてくる

攪乱と奥入瀬渓流

8/19から8/20にかけて十和田湖・奥入瀬渓流に大雨が降った影響で土砂災害が発生し、道路や遊歩道には大きな被害が生じました。

関係機関の昼夜を問わない懸命の復旧作業により、23日には国道102号線が開通し、25日からは中流(石ヶ戸~雲井の滝)までの遊歩道も開通いたしました。昼夜を問わず対応して頂いた皆様には心より感謝申し上げます。

上流の遊歩道の一部は閉鎖中(銚子大滝は立ち寄れます)ですが、少しずつ平常時の姿に戻りつつあります。

ガイドの仲間たちと現場を視察風景。双白髪の滝付近が最も大きな被害を受けました。
石ヶ戸の瀬。若干濁りはあるものの、いつもの奥入瀬の美しさが戻りつつあります

8月の観光シーズンに、この様な状況になってしまったことはとても残念です。しかし奥入瀬渓流は過去にもこの様な攪乱は発生しており(頻度は非常に少ないです)、その都度、再生と破壊を繰り返しながら、多様性溢れる自然が保たれてきました。

「攪乱」と呼ばれる自然の事象はマイナスのイメージが強いですが、攪乱があるからこそ多様な自然が生まれ、保たれているのです。
・林冠ギャップ
・雪崩や山腹崩落
・洪水攪乱
などによって定期的に自然に「変化」が生じます。
倒木、流木による河川環境の変化。基質(土壌)や光環境の変化によって、森には新たなハビタット(生息環境)が生まれ、多様性が広がっていくのです。

今回の大雨により渓流域の景観的な魅力は一部損なわれましたが、水分環境に恵まれ、コケの豊かな奥入瀬渓流の自然の回復力は高いですから、時間の経過とともに奥入瀬渓流の景観は戻っていくと思います。

数十年、数百年に一度の攪乱により、自然はどう遷移していくのか?

そのようなテーマを持って、森を歩くのも非常に興味深いです。

さて、ここからは森の最新状況のお知らせ。

逆光のジュウモンジシダの美しさ
森から見上げた頭上の景色①
森から見上げた頭上の景色②奥入瀬樹木御三家(トチノキ・カツラ・サワグルミ)の葉が勢ぞろい
ハナオチバタケ(褐色型)
ハナオチバタケ(赤色型)アポロチョコレートみたい

雨の恵み、潤いに満ちた奥入瀬は、やっぱり魅力的!
奥入瀬ネイチャーガイドFORESTONでは上流コースを除き、通常通りツアーは催行しておりますので
安心して奥入瀬へお越し頂ければと思います。一緒に森を楽しみましょう(^^)

ネイチャーガイド:丹羽