立ちどまるから見えてくる

虫の魅力

こんにちは!奥入瀬ネイチャーツアーFORESTONのネイチャーガイド、渡邉です。

梅雨が明け、本格的な夏を迎えた奥入瀬渓流。
そんな夏の森で、ひときわ存在感を増すのが虫たちです。
「虫はちょっと苦手……」という方も少なくないのではないでしょうか。

生き物が大好きな私も、実は最近まで虫はそこまで得意というわけではありませんでした。
しかし先日、世界を巡る冒険家や研究者、写真家に密着したドキュメンタリー番組で、
虫好きの女性がこんなことを話していました。

「虫は、顔がかわいいんです。」

その一言が妙に頭に残り、それ以来、虫に出会うとまず顔を見るようになりました。
今回は、そんな視点で見つけた「顔がかわいい」奥入瀬渓流の虫を2種類ご紹介します。




番組を見たあと、最初に出会ったのがこの子です。

【ヒメフナムシとシッポゴケ】

どうでしょう?
この透明感の体と、きゅるんとしたつぶらなおめめ。。。とてもかわいい。。。
さらに心をつかまれたのは、そのしぐさです。
写真を撮ろうと近づくとシッポゴケの中へすっと潜り込み、
撮るのをやめると、ひょこっと顔を出してくる。
その様子がなんともかわいらしく、しばらく眺めてしまいました。

「フナムシ」と聞くと、大きくて、ウジャウジャたくさん集まっているイメージがあり、
正直「かわいい」と思ったことはありませんでした。
でも同じ仲間でも、こんなに愛らしい顔をしている子がいると知ると、もっと近くで顔を見てみたくなります。




次に紹介するのは、飛んでいる見た目も羽音もスズメバチにそっくりな虫です。
【キタスカシバ(蛾の仲間)】

顔のもふもふ感と、少したるんだように見える口元がたまりません。

写真を撮るたびに、カメラのシャッター音を威嚇されたと勘違いしたのか、
自分もスズメバチそっくりの羽音を立てて威嚇してきました。
その反応が面白くて、つい何枚も撮ってしまいました。
(この子にとっては迷惑だったよね……ごめんね。)


ちなみに、この子が擬態しているスズメバチの日本最大種はオオスズメバチです。
アメリカでは、その強い毒性や攻撃性から「殺人スズメバチ(Murder Hornet)」と呼ばれ、
大きな話題になったこともあります。

【オオスズメバチ(車に轢かれてしまっていました)】

こうして見比べてみると、
キタスカシバはどこか愛嬌のある顔つきで、
オオスズメバチは凛々しくてかっこいい印象を受けます。




同じ虫でも、顔つきだけでこんなに印象が違うなんて面白いですよね。
私はそんな虫たちの表情に魅了され、最近は『昆虫顔面図鑑』まで買ってしまいました。

かっこいい虫にも、よく見るとどこかかわいらしさがある。
普段あまり好かれない蚊やムカデ、クモ、カメムシたちも、
顔をじっくり見てみると、意外な魅力が見つかるかもしれませんね。
これから出会う虫たちの顔を見るのが、ますます楽しみです。

ガイド:渡邉